「………そう。 ………………ねぇ、藤神君。 今日、正確に言えば昨日、ね。 父と母が亡くなったわ。殺されたんだと思う。」 静かに息を飲む声が聞こえた。 きっと彼は分かってたんだと思う。 「…俺は、幼いころから、自分が異世界の血を受け継ぐ者であると、教えられてきました。 そしてそれと同時に、俺と同じくらいの“姫”がいることも教えられました。 自分の命を賭けてでも守り抜く存在であると。 そう教えられました。」