家について、リビングに彼を通してからも 沈黙は続いていた。 はぁー…気づかれないように小さく深呼吸を繰り返す。 聞かなきゃ、何も始まらない。 「……ねぇ、藤神君。 あなたは異世界の人、でいいのよね?」 「…厳密に言えばちがいます。 俺も姫と同じ立場です。生まれも育ちもこの世界で、異世界に行ったことは一度もありません。 “異世界の血を受け継ぐ者”です。」