「気分どう?……微熱!」
体温計を取った港が『下がんないね』と呟きながら俺を見下ろす。
「最悪」
「はは、そう。薬あんまり強くないから」
病室の椅子に『疲れた~』と座って、港は水を一口…二口。
「お昼なのにここにいていいのか?」
「うん、昼は弁当」
「ふーん……」
「微熱キープしてる蒼なんて初めて見たな!」
若干嬉しそうに笑いながら見てくる港に、苦笑いで返す。
「それがそんなに嬉しいか」
「嬉しい?…そんな訳ない」
「……」
「いただきまーす。……蒼の食べ物拒否も俺初めてみた気がする、付き合い長いのに」
「…そう?」
「うん。…いつもは季蛍さんに怒ってばかりだもんな」
「んー……今じゃ怒られる側でさ。季蛍昨日『何で無理するの!蒼倒れたら家で私1人だよ!寂しい!』
……って涙目で叫んでた」
笑えば港も笑って
「んはは、季蛍さん可愛いね。蒼いないと寂しいんだ」
「…うん、はは」


