「空君パパ、高校の先生なんですよね~!女子生徒から告白されたりしないんですか?」


お決まりの質問にも、先生は余裕の返事。



「ははは。ドラマの観すぎですよ。今どきの高校生はおじさんに興味なんてないですよ」


爽やかにそう言って、場を和ませた。



試合は、2点差で勝った。


空は前半に1点を入れて、パパが来てからはあまり活躍しなかったけど、頑張った。


「おめでと~」

空に声をかけると、空はパパに走って飛びついた。


「パパ、パパ!僕1点入れたの見た?」


「ごめん。それは見れなかったけど、ちゃんとそのあとから見てたよ」


「パパ、次は僕のシュート見てね」



パッパパッパと言っていた小さいころを思い出す。

あんな赤ちゃんだった空が、今はひとりで駆け回ってサッカーをしている。


「俺、コーチに挨拶しとこうかな」


先生はそう言って、高田コーチの方を見た。

みんなを集めて、反省会をしている姿を見ていると、少し重なる。

部活指導をしている新垣先生と。