白いジャージリターンズ~先生と私と空~


いつまでも、ドキドキしていたい。

一生先生以外にときめきたくないって思う。



でも、こんな私でも過去にはいろいろあった。

浮気なんて絶対しないけど、ちょっとしたドキドキってあったなぁ、と懐かしい職場を思い出した。



空を肩に乗せて、くるくる回す先生を見つめながら、チクンと胸が痛む。



「今度、俺も練習見に行けるようにするよ。直にばかり任せてごめん」


そう言って、優しい旦那様は私の背中に空の体重を預ける。


「うんうん!きっと、空も喜ぶね」

「おう」



その時に、また変な感情が生まれる。

こういう自分が嫌だ。



他のママ達に、先生を見せたくないなって思った。


すでに、勝手にかっこいい旦那さんって思われてるから、本人を見たら・・・・・・


「どぉしたぁ?なんか、あったか」


大好きな先生の優しい声で、私は背筋を伸ばす。


しっかりしなきゃ。



私はもう母親なんだ。

空の母として、もっと強くならないといけないな。