予想外だった。
まさか、俺とは……
全く思ってなくて。
言葉を失くした俺を見て、原田は何度も謝った。
「ごめん、先生!!先生困るよね」
「いや、いいけど、びっくりしただけ。俺、おっさん過ぎるだろ」
「何も期待しないし、何もしないから!ただ、好きでいさせて」
「うん、わかってるよ」
「奥さんと幸せに暮らして欲しいし、私のことは生徒として大事に思ってくれてるだけってわかってるし、先生を待ち伏せしたりしないし、しつこく告白したりもしないから!!」
必死過ぎる原田を見て、俺も笑顔になってしまう。
「わかったよ、わかった!ちゃんとわかってるから、安心しろ」
それから、原田が話してくれた。
いつから俺を好きだったのか、どういうタイミングで好きになったのか、どうして今回話そうと思ったのか。
俺は、それをちゃんと直に話そうと思った。
原田のこの想いは、誰よりも直がよくわかると思ったから。
直は、嫉妬とかそんなんじゃなく、原田の想いに寄り添うだろうなってわかるから。
体調が悪いからって黙っていたら、それは隠し事になってしまうし、これは直の負担にはならないと俺は思った。