その夜、
ママぎゅ~して、と言ってくれた。
毎晩、恒例だったんだ、これ。
空の匂いがした。
赤ちゃんの時の匂いを思い出した。
初めて、空を胸に抱いたあの日。
絶対にこの子を守ろうと思った。
小さくて、小さくて、かわいい空。
誰からも教えられていないのに、私のおっぱいを必死で探していた。
小さな手で私の人差し指を握ってくれた。
私と先生の愛しい愛しい空。
ごめんね、いろいろ。
ほんとに、ごめんね。
ママ、ちゃんと空を愛してるから。
元のママに戻れるまで、迷惑かけちゃうけど……
「ママ……」
寝返りをして、私の首に両手を巻き付けてくる空。
溢れる涙を我慢せずに流した。
モヤモヤしたものも一緒に流れていくような気がして、私はいっぱい涙を流して、
そのまま眠ってしまった。


