ー隠し事ー


高田コーチが帰った後、とても久しぶりに空が私のひざに座った。


「コーチいつ来る?」

「また来てくれるといいね」

「うん」


空は、サッカーボールを持って、嬉しそうに足をバタバタさせた。



私が産んだ。
この子。

世界にたった一人。

そう。

コーチの言う通り。




私は、高田コーチに救われた。

そのことに少しだけ罪悪感を感じてしまうのは、どうしてだろう。



先生に全部は言えない。

だって、
先生も支えてくれてる。

必死で私を守ろうとしてくれている。


なのに、私は高田コーチに救いを求めた。


こんなにも心が落ち着いたのは久しぶりだし、この気持ちをくれたのは先生じゃなく、高田コーチだった。


だから、本心は言えないよ。