「直も、頑張りすぎなんじゃない?もっと手抜きすれば?」
「……それができなくて」
「お母さんに預けちゃえば?」
唇にピンクのクリームをつけたお姉ちゃんを見ていると、さっきまでの重い気持ちが軽くなる。
「ちょっと、空も反抗的で……」
「そんな時だから、離れるんだよ。母親だから甘えてるんだって」
私は、最近の空のことをお姉ちゃんに話した。
すっかり性格が変わってしまったこと、夜泣きをすること、私に対して反抗的なこと。
それを、お父さんやお母さんには言えないこと。
「直~、昔から変わらないねぇ。こんな時頼らないでどうすんの?あんた、空が大人になって人生に悩んだ時に、そんな風に気を使われて嬉しい?」
そう言われて、ハッと目が覚めたような気がした。
空がつらい時、空が誰かに頼りたい時、一番に私を思い出して欲しい。