天然王子

 

しばらく捜し回っていると、ようやく見つけた。

王子は初めて私が王子と話した器具室にいた。


「隣、いいですか?」

「…………」


黙っている王子の横に、そっと座った。


「えーと…もう秋だね☆」

「……うん」

「何してたの?」

「……うん」


王子…それ、答えになってないですよ?


「てか…」

「……あのさ…寝てもいい?」

「あっ、ごめん…」


眠そうにしている王子に謝ると、王子は静かに目を綴じた。

少しすると、さすが王子…小さな寝息が聞こえてきた。

あーぁ、私…本格的に嫌われてるかも…


「………っ…」


下を向くと涙が一滴溢れた

一生懸命堪えようと、眉間に皺を寄せて鼻をすすった。


「え…」


王子は私を見てビックリした顔をして、体を起こした。

あ、起こしちゃった


「ごめ……」


早く謝りたいのに、言葉が詰まってなかなか出てこない。