天然王子

 

「ありがとう」


そう言って笑った3日後、予告どおり麻里奈ちゃんは転校していってしまった。

でも私は未だに…


「王子と話した?」

「……え?なんか言った?」


そう紗和に聞き返すとスパァーンと頭を叩かれた。


「いったー!!!」

「何してんの!ますます気まずくなるよ!?」

「ぅ…だって…友達が転校しちゃったんだよ?少しくらい感傷にひたらせてよ」

「それとこれとは関係ないから」


"関係ないから"って言葉、ちょっともう聞きたくないんですけど…

でも…紗和の言う通り、このまま気まずいまま王子と話せなくなるのはイヤだなぁ


「時田春香、心を決めて行ってまいります!」


私は席から立ち上がると、王子捜しの旅に出た。