「なんで…」

「…嬉しいから、食べる」


半分以上残っていたケーキが、みるみるうちに王子の胃袋に収められていく

てか、そんなこと言われたら、もっと惚れちゃいますけど。

それからしばらく私は目の前の王子に見とれていた。

今日の王子はいつもの倍、カッコよく見えた。


「……あ、クリームついてる」

「へっ!?」


言われて私は慌てて自分の口のまわりを触った。


「…………うそ」


悪戯っぽく王子が笑った。

本日2度目の笑顔は、私の胸にクリーンヒットした。

心臓がうるさく鳴って、血液がいつもより何倍も早く流れている気がした。


「す…き……」

「え?」


自分の口から出た言葉にビックリして、慌てて口をふさいだ。

言っちゃった…

言ってしまった…

つい口から出てしまった初めての告白は、自分にとってもサプライズになってしまった。