「へぇ、よかったじゃん」

「ほんと奇跡ですよ!」


私はさっきあった出来事を紗和に話した。

まだついさっきまで王子と話してたなんて夢みたいで信じらんない…

まぁ王子が寝た後もしばらく寝顔に見とれてて、5時間目サボっちゃったんだけどね。


「つかさっきから思ってたけど…"ソレ"なに?」


紗和が私を指さして言った。

ソレ…?


「なんか私の顔についてる!?」

「いや、ついてるってゆーか…かかってる?」


かかってるって………あ!

私はいつもより視界が少し暗いことに気が付いた。

まさか…


「ずっとかけっぱだったんだ…サングラス…」

「なに、どこで拾ったのさそんなの」

「いる?」

「いやいらないけどさ」


私はサングラスをとって手に持った。

途端に目の前が明るくなった。

これを教室に戻ってくるまでずっとかけたままだったなんて…私はなんて恥ずかしいことを…!

そう思うと急に顔に全身の熱が集まってきた。