そう、言ったのは私の声じゃなくて…


「えっ…は、羽矢!?」


いつの間にかいた王子は、みんなにギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいの

小さな小さな声で言った。


「…俺、ハルしか見れないし」


んなっ…!


「「「ぎぃゃぁあー!!!」」」


女の人たちの、黄色い声…ってか、悲鳴に近い叫び声が響いた。


「羽矢…っ?」


王子を見ると、悪戯っぽく笑っていた。


「…やっぱり、ハルが心配で来ちゃった」


来ちゃったって…

にこーって…

春香…完璧、ロックオン★


「…それより、すごいね」

「なにが?」

「ハル、こんな大勢の女の子から告白されてたんでしょ?」

「…………は?」


なわけないでしょーっ!?










"広瀬羽矢"はやっぱり
ちょっと天然な王子様



「王子っ!ずっと一緒に居ようね!!」

「…姫が、望むなら」



それでも私は
今日も、あなたに夢中です。





― END ―