天然王子

 

なんで…シュンくんがここに…


「確かアイツ、まだ教室にいたよ?」

「えっ…でも……」


返事をするより前に、シュンくんが私の背中を押す。


「迷ってんなら、聞いてきなよ」


確かに、行くか行かないか迷ってるくらいなら…シュンくんの言う通り、王子に聞いた方がてっとり早いか。


「うん、わかった!」

「時田さん…絶対、アイツ離しちゃだめだよ」


シュンくんは一瞬、真剣な顔になったかと思うと、すぐに笑顔に戻った。


「俺、二人が好きだからさ」


私たちが…好き?


「それは、冗談じゃない?」

「ほんとだよ」


良かった…

私も、シュンくんが好きだから。

ちゃんと友達として大好きだから。


「うん、ありがとうシュンくんっ!」


私は来た時と同じ、手ぶらのまま職員室を出た。










「ったく…ガキが、カッコつけてんじゃねーよ」

「いーじゃないすか
最後くらいカッコつけても」

「…そんな可哀想なお前に重要な役割をくれてやる」


―バサッ


「なんすかコレ」

「あのバカが忘れてったプリントだ。代わりに配っとけ。」

「……………」