私は目をとじた。

フワッと私の髪に王子の手が触れる

心音が速くなっていく

そして…


「…ハル、目あけて」


目をあけると、私のすぐ目の前で王子がニッコリ笑っていた。


「ごみ、とれたよ」

「はへっ!?」


ごごごごごごみっ!?

なんてベタな!!!


「…ハル、顔赤いよ?」


王子が私の手を掴んだまま不思議そうに聞く。

そりゃあ赤くもなりますって


「だっ、だってキスされるかと思っ…」


って!なに言ってんの私!?

自意識過剰!!!

ほら、王子も引いてるし…っ

ほんと恥ずかしすぎて、私は片手で顔を隠した。


「ごめん、今の忘れ…」


その瞬間、視界がハッキリと見えた。

王子が私の両手を掴んで自分の方に引き寄せる。

全部がスローモーションに見えて、ゆっくりと王子と私の唇が重なった。

なんだろう…甘い…