「べ…別に…」


私は顔を背けた。


「あー、またアイツの事?」

「なっ!別に王子のことじゃ…」

「俺"アイツ"しか言ってないけど?」


そう言ってまたシュンくんが笑った。

しまった…墓穴…

だってシュンくんが"アイツ"って言う時はだいたい王子のことじゃん


「ほんと…悩みあんなら聞くよ?ほら、男のことなら男に聞くのが一番だし」


優しいシュンくんの言葉に甘えてしまいそうになる。

けど…やっぱり人に頼ってばっかじゃだめだよね

これは私の気持ちの問題なんだから…


「ううん、大丈夫。でもありがとう」

「そっか」


やっぱり結局、考えても王子のことなんか嫌いになれなくて

"好き"って言葉にすればたったの二文字で、簡単なはずのになかなか口に出せない

でももう決めた

私は王子に好きって伝えるよ

きっとそれが何より1番手っ取り早い。

バカな頭じゃ1番単純な方法しか浮かばなくて…