気付けば時計の針は3時半をさしていた。

委員会は40分から…


「寝てたってことにしてサボっちゃおーかな」


私は誰もいない教室の自分の机に伏せて窓の外を眺めた

私の友達はみんな薄情だ。

めんどくさいとかバイトだとかで結局誰一人変わってくれなかった


…静かな場所にいると余計なことを考える

もし王子が嫌な人だったらきっと憧れたり、好きになることなんかなかったんだろうなって

なのに王子は思ってたよりももっとずっとかっこよくて…

こんな悩むなら好きになんかなりたくなかった


「もー嫌い、嫌い、嫌い」


私は自分に暗示をかけた。

王子が悪いわけじゃないのに

勝手に私が好きになって、勝手に悩んでるだけなのに


―カタン


音がして、誰かが前の席に座る気配がした。

思わず私は今にも泣きそうな顔を上げた。


「なんか、悩み事?」

「シュンくん…」


そこにはニッコリ笑ったシュンくんがいた。