『買い物…付き合ってくんない?』
それがあの日、田熊に頼まれたこと。
何でも知り合いの女の子が今度誕生日らしくて、自分の誕生日に祝ってもらったからお返しに何かプレゼントしたいみたい。
「全く…計画性なさすぎ」
「だって女って何貰ったら喜ぶのかわかんねーし…」
そういえば前に女の子と付き合ったことないって言ってたっけ
まぁ、引き受けちゃったし協力してあげるけどさ
「つか、俺このあとバイトだからさっさと済ませたいんだけど」
「悩もうよ…せっかくのプレゼントなんだから」
全く…田熊にはあきれて物も言えないよ
いや、実際言えてるんだけどさ
「でもまぁよかったよね、田熊にもやっと好きな子ができて」
私とかなり身長差のある田熊の肩をポンポンと叩いた
高2で初恋とか遅すぎだと思うけどねー
「……は?」
田熊はパッと私の手を払うと眉間にシワをよせて言った
「いや、ないから」