「……なんで俺がハルを嫌いになるの?」

「だってあからさまに避けてたじゃん、私のこと」


王子は目を細めて私を見ると、ハァとため息をついた。


「……それは、そのたくまって人とハルの…邪魔しないように…じゃん」

「それに"関係ない"って…言ったもん!広瀬くん」


王子は自分の言ったことを忘れたのか、頭にいっぱい"?"を浮かべてから、ようやく「あぁ」と言った。


「…やっぱ、関係なくないね」


王子の発言に、今度は私が首を傾げた。


「……最近ずっと気になってた、避けてたけど実は今日は来ないのかなぁって本当は待ってた」

「何を?」

「ハルだよ」


思えば最近の私は毎日毎日、王子に会いに行ってた。

うざがられないかなぁって思いながらも、ただ会いたくて…

それを王子は待っててくれたの?


あー…

今日の私はほんと泣き虫だ


「……何でぇ?」

「さぁ…なんでだろうね?」


久しぶりの王子の笑顔に、心臓が止まるかと思った。

また…笑ってくれた…