I先輩

 


わたしが呆然として立っていると、ピアスの人と目が合った。

その人はわたしを見てニコッと笑うと近づいてきた。



「さっきはごめんねー、コイツ乙女心わかってないからさー」

「は?お前よりはわかってるっつの」

「どーだかー」



二人が言い争い始めた。

そういえば忘れてたけど、わたし迷子だったんだ。

さっさと教室の場所聞いちゃって早く立ち去ろう

そう思って話しかけることにした。



「あの…」

「ん?あぁ!そうだった!!」



男の人に話しかけると、急に何かを思い出したように大きな声を出されて一瞬肩がビクッとなった。



「君、名前は?」

「あ…えと…ことりですっ」

「ん、じゃーことりちゃんはもう何か入りたい部とか決まってんの?」

「え…?いえ…まだ……」



もしかしてこの人も勧誘の人?