....困るんだ。 百合は、僕がいなくなったら。 僕を一生、引きずって生きていく。 それは可哀想だ。 僕が好きな、生き生きとした百合じゃなくなる。それも嫌だ。 じゃあ、僕達は離れちゃ駄目なんだ。 『....覚えとくよ』 そう呟いて、寒そうな百合の右手をとる。 そのとき目を合って、ヘラリと笑われた。 気の抜けた、柔らかな笑顔だった。 END.