そういえばあのときのことを、『ちょっと理性飛んでた』とか言ってなかったっけこの人。え?今理性飛んでんの?



「じ、かん...学校、閉まりますよ」



ぴたりと、彼の動きが止まった。


よく考えたらそうなのだ。

視界の端にふと時計が見えて思い出したけど。

私がこの教室に来た時点で、学校が閉まるまであと三十分だった。


予定外にも、この教室で私が告白しちゃったから、こんな流れになっちゃってるけど。

今何時?七時過ぎてない?


「..........」


ものすごくムッとした顔で、汐見先輩が離れた。

改めて彼の顔を見ると、少し頬が赤かった。かわいい。

でもたぶん、今の私も変わらない。だってめちゃくちゃ顔が熱い。


ちらりと、教室の時計を見る。

六時五十五分。