「楽しみだねぇ、体育祭!」
私の両側にいるふたりに話しかける。
けど、各々から返ってきたのはこれだ。
「やーん、焼けるぅ~。日焼け止め塗り直さなきゃあ」
「今メール中だから静かにして」
...ワハハ。自由だな、私たちは。
向かって右から、女子力の塊、ハチャメチャアホ女、ケータイ依存症とくる。
いやぁ、個性があるのは良いことだね!
「チョコちゃん、先生が向こうにいるよ」
「まじで。ちょっと待って」
今、一応休憩時間なんだけども。
グラウンドにまでケータイを持ってくるとは、さすが依存症チョコちゃんだ。
一体毎日誰にメールを送っているのかたいへん気になるけど、決して教えてくれない。
里菜も知らないらしい。