「いたーい!なんでデコピンなわけ?」
口を歪ませ斜め下から睨みをきかせると
「お前が鈍すぎるからだよバーカ。こんな広い部屋、
一人で住む訳ねーだろ?
 ・・・・俺の言いたい事察しろよ」
え?一人じゃないってことは・・・・もしかして
「ええええ!?それって・・・私とってこと?」
思わず大きな声で叫んだもんだから弦は自分の耳を手で塞いだ。
「当たり前だろうが・・・他に誰がいるんだよ」
いい方はぶっきらぼうだけど顔は真っ赤になってて
可愛いと思っちゃうのだけれど・・・・だまっていた。
だって私の顔は火だるまみたいになってるもん。
そして赤い顔同士、恥ずかしさのあまりさっと視線を逸らした。
まるで付き合いたての中学生みたいに・・・・
「言っとくが同棲じゃないからな!」
弦の言おうとしているがわかったが信じられなかった。
「嘘・・・」
弦があからさまに大きなため息をついた。
「こんなことで嘘言ってどうすんだよ」

「じゃあ!ちゃんと言ってよ。私、バカだからわかんない!
だから・・・ちゃんと・・ちゃんと・・・言葉にしてよ」
もう私の心臓は尋常じゃないくらいドキドキしていた。
真っ赤になったままの弦が私の方を見た。
でも少し緊張しているのだろうか
なかなか言葉にしてくれない。