そんなある日、私は人事部の沢田少佐に呼ばれた。人事部は二階にあり、エアコンが行き届いた涼しい部屋だった。私の兵舎とは比べ物にならない。
「失礼します。」
中も涼しい。
「君が長田サナ軍曹かね?」
「はい。」
おそらく私は彼が苦手だと察した。彼の怒ったような声のトーンはどうしてもイライラする。
人事部はキャリアだし、仕方ないのかもしれないが上から目線みたいで、私は嫌いだ。