何を聞きたかったんだろう。
なんて答えて欲しかったんだろう。
なんで、あんなこと、聞いちゃったんだろう…
『知佳、ほら帰るぞ?
知佳のチャンスは、二週間の期限付きなんだからな』
崇人は、そう叫ぶ。
そう、この変な関係は二週間という期限付きのもの。
この二週間の間に、奈々と崇人が本気になれば、奈々は由樹君ときっちり別れて崇人と付き合う。
由樹君と私も本気になれば、由樹君は奈々と別れる。
恨みっこなし、妬みもなし。
そういう条件付き。
『……崇人も、頑張らなきゃ、だよね…』
私の言葉に、崇人は“そうだな”、そう言って微笑んだ。
そうだよね…
私だってせっかくのチャンスなんだよ…
ずっと好きだった由樹君と、本当の彼氏彼女になれる、そういうチャンスが巡ってきたんだ。
だから、
だから。
『お互い、頑張ろうな』
崇人の言葉通り、頑張らなきゃいけないんだよ…。
崇人は一度も振り返ることもなく、映画館の中に入っていった。
私も崇人の数歩後ろを歩きながら、映画館の中に入っていく。
『崇人ー!』
崇人を見つけるなり、奈々が可愛らしく崇人に近寄ってくる。
その後ろからユックリと由樹君も歩いてくる。
『崇人、この映画にしよ?
もうチケット買ってあるから』
奈々はそう言って、崇人の腕に自分の腕を絡めた。
『平気?』
由樹君は私の顔を覗き込み、そう問いかけてくる。
『由樹、あんまドキドキさせないでやって?
なんかめちゃめちゃ緊張してるみたいだから』
何も答えられない私に代わって、崇人が由樹君にそう言った。
ドキドキ…?
私は崇人の顔に視線を向けた。

