「実は他にも…」


そう続けて、大きく溜め息を吐く母親。



「あんたにも言ってなかったけど…

亮からのストップもかけられてたのよ」



黙って俯いてた柊也が…
途端、険しい顔を向ける。



「…そう怖い顔しないの。

電話番号を変えてた亮から、
そのストップの連絡があったおかげで…

あんたの頼みを聞けたのよ?


おじいさんを亡くしてから学校に来ない深紅ちゃんを、励ましたいって…

携帯の電源を入れるように、私経由で頼んだでしょ?


家を教えてもらったのだって、ストップの交換条件だったのよ?」



柊也は見開いた目をぶつけて…

すぐに溜め息と共に、グシャリと頭を抱え込んだ。



「でもずっと条件をのんだフリしてたわ!
あんたの好きにさせたかったし…


だけどね?

このストップは深紅ちゃんの為でもあるの」



チラ、と母親を映すと…
優しい声が落とされた。



「亮ね、あの女と大ゲンカしたんだって。
今までにないくらい激しく…

理由、なんだと思う?


あんたが小6の時の写真、隠し持ってたからだって」