「ただいま」

柊也の帰宅に…



「ああ、おかえりなさい!
急いでご飯用意するから、待ってて」


戻って来たばかりの母親は、そう言って2つの湯のみを片付ける。



「…誰か来た?」

それを目にした柊也の問い掛け。



一瞬、動きを止めた母親は…

大きく溜め息を零して、振り向いた。



「うん…

深紅ちゃん、来てたわよ?」




ーじゃあさっ、柊也のお母さんに聞けるかな!?ー

脳裏を過ぎった記憶に…

まさか!の驚きをぶつける柊也。




「…

多分、想像してる通りよ。


ほんとは口止めされてたんだけど…

全てを話した以上、
やっぱりあんたには伝えなきゃね…」



「は?

なに話したんだよ!?」



「だから…

あの女とのケンカに関わる全部よ」



聞いた瞬間…

血相を変えて、とっさに深紅を追っかけようと玄関に急ぐ柊也。



「どこ行く気!?
あの子ならもう、家まで送ったわよ?

だいたい…
追っかけてどうするつもり?」



その言葉でハッと我に返って、戸惑いながら…


「なんでゆんだよ…

深紅に仕返しすんなし!!」