「おはよー、ございます…」
結局、ションボリな挨拶を投げかけただけ。
通り過ぎるキミに、ただうつむく…
「…
…ごめん」
去り際に、ボソッと落とされた言葉。
それが、あたしん中に響き渡る…
「えっ!?ちょっ…
ちょっと待ってよ!」
思わず引き止めたら、
今日は止まって、振り向いたキミ。
そーだよ…
キミは優しいヤツだった。
コンビニで、あのコを助けたんだもん。
いくら嫌ってても、自分のせーで落ちてるあたしを、ほっとけないんだ。
「名前…
…知りたいよ」
願うように見つめるあたしを…
キミの凛とした寂しげな瞳が捕まえる。
「…
…柊也(しゅうや)」
告げられた名前に、心がざわめく。
柊、也…?
驚いて、期待込めた瞳をぶつけた。
キミはそれを受け止めて…
「…野上、柊也」
そう続けた。
運命だって思った。
なんで気づかなかったんだろ…!
「…柊也くん!」
幼なじみの…
ーーー初恋のヒト。



