僕は走った。 脳内で響く声、気味が悪い。 「幸乃……助けて」 公園。 虫が集っている場所がある。 「幸乃……良かった、まだ、いたんだね」 その冷たくなった体は、熱く火照った僕の体にちょうどよかった。 その胸部に突き刺さったナイフを抜き取る。 赤黒い血がついている。 「ごめん……幸乃……僕が間違っていたから、君がこんな目に……」 まだ脳内で響く声。 殺せ、人間を殺せ、と。 「僕自身で、償うよ……」