【殺しなさい。殺すのです】 もうそれは命令口調になっていた。 僕は一気にパソコンの電源を切った。 これで安心だと溜め息をついたとき、低い声が頭の中で聞こえた。 「貴方は逃げられない」 それは、暗示。 何回も繰り返される。 「嫌だ……」 頭が痛い。 破裂しそうに熱い。 「嫌だ、嫌だ、嫌だ!」 これ以上、人を殺したくない。 殺す姿を見たくない。 死んだ人間を見たくない。