殺人ごっこ

【お帰りなさい】


画面に表示された文字、安堵の溜め息が出た。


「ちゃんと貴方が言ったとおり、後片付けしといた」


その後僕は川原に直行して、持ち合わせていたライターでジャージと靴下とボストンバッグと手袋を燃やした。

下着だけになった僕は、あらかじめボストンバッグの中に入れておいた着替えと靴を取り出して着替えた。

燃やし終わって灰になった衣服は、土に埋めた。


【さすが、ですね。それにしても酷い殺し方をしましたね】

「君が言ったんだろ」

【そうですが……ねえ。そこまでやるとは、思いませんでした】

「全て進行は、怒りにまかせたんだ」


僕は少し暴走してしまったらしい。

致命傷になるところだけを狙えと言われたのだが、気が付けば原型が分からないほどになっていた。


【まあわたくしはそんなエンドが好きなんですけどね】

「明日の報道が楽しみだな」


僕はそう言うと「おやすみ」とパソコンに告げ、シャットダウンすると眠りについた。

僕の家は健太君みたいな立派なベッドじゃなくて、質素な敷き布団だけど、今日だけはとても上等なベッドに寝ているような気持ちになった。