テクサレバナ

◇  ◇  ◇




その日は、文化祭の準備があった。




皆居残って、高校生活最後の文化祭の為に一生懸命準備を行っている中で、俺は一人、帰ろうとしていた。




文化祭なんかつまらない。


一緒に回る相手なんかいない。


どうせ、一昨年や去年みたいに、屋上で文化祭を楽しむ奴らを、ただ見下ろして、時間を潰すだけだろう。


クラスの出し物に俺が手伝ったって、結局足手まといになるのは目に見えている




「邪魔だ」


「足手まといだ」


「どけ」


「うざい」




そんな言葉が、俺に向かって矢のように飛んでくるのも、目に見えている。