テクサレバナ

「気のせいだよ、きっと。


千裕、今まで疲れていたから」


「そうだな………」




俺は、疲れていたんだ。




ああ、本当に俺の世界は変わったみたいだ。


なんだか、清々しい気持ちで、胸がいっぱいだ…………。




「もっと早く触れればよかった」




赤くなった手腐花を見つめながら、俺は言った。


しかし、カレンは首を振った。




「駄目よ。


手が腐っちゃうから」




と、無の表情で、カレンは言った。