テクサレバナ

すると、白かった手腐花が、触ったところから段々と赤く染まっていく。


一つ目の花が、赤に染まり終わると、二つ目、三つ目、四つ目、五つ目、六つ目……と次々に赤に染まる。




雪のように白かった手腐花は、全ての花が真っ赤に染まった。




まるで、血のように……真っ赤に…。




「きれいでしょう、この赤も」




と、カレンが言った。




「ああ…………きれいだ………………」




ふと、カレンの方を見てみると、カレンの白いワンピースが、手腐花のような赤に変わっていた。


だたでさえ白かったカレンの手足が、余計白く見える。




「あれ、カレン……着替えた?」


「え?どうして?」


「だって、さっきまでワンピースは白だったはず……」


「何言っているの、千裕。


私は最初から、この服を着ていたよ?」


「あれ………気のせいかな」