テクサレバナ

その美しい、雪のように白い手腐花に、呪いを込めて、そっと触れる。




憎い。


あいつらが憎い。


どうして、あいつらは俺をそんなに軽蔑するんだ。




俺だって、一生懸命生きているのに。




近江……。


文化祭の準備のことでゴタゴタ言ってきて、うるさい。


近江のせいで、クラスメイトに悪口を言われるようになった。




森井達……。


俺をいじめていたことを“遊び”だと思ってやがる。


俺は、あんなに辛い思いをしていたのに、あれが遊びだって?笑わせるな。


しかも、俺はまだ辛い思いをしているのに、こいつらは今も楽しそうに笑ってやがる。




父さん、母さん……。




親のくせに、「頑張れ」とか「勉強しろ」とかしか言わない。


言うだけで、何もしてくれない。


どうせ、俺のことなんかもう、諦めているに決まっている……。