テクサレバナ

俺が躊躇っていると、カレンは俺の耳元で、




「ねえ、触れてみて 手腐花に」




と、桜色の唇を動かして、甘い声で囁いた。




触れる、手腐花に、触れる…………………。




「そうすれば、千裕の世界はきっと変わる」




俺の世界が、変わる…………。




手腐花の吸い込まれるような白に、俺は目を奪われていた。




触れてみたい。


触れてみたい。


触れてみたい。