屋上に行くと、風が吹いていて、空気が少し冷たかった。


けれど、文化祭の準備なんて面倒臭いことをするより、全然良いだろうと思って、俺は屋上の柵にもたれかかった。




「はぁ………」




屋上に来たものの、何もすることがない。


今朝買ってきたパンは持ってきたけど、特に今は腹は空いていない。


ああ、ゲーム機でも持ってくるべきだったなぁ……と少し後悔する。




携帯は持っているが、特にこれといってしたいこともない。




その時、ふとカレンのことを思い出した。




さらさらの黒髪に、ぱっちりした目、華奢で白い手足………。


そして、桜色の唇から出てきた、あの言葉…。




-手が腐っちゃうから。