テクサレバナ

○  ○  ○




「俺のせいで、ごめん」




カレンもいなくなった手腐花の前で、田中は私に謝った。




「いいって、謝らなくても」




というか、殺されかけてよかったかも。


お陰で、田中が手腐花の殺せなくなった。


田中は、死ねなくなった。




よかった、田中が死ななくて。


田中が死んだら私…………私…………。




「立てるか?」




そう言って、手を差し出してくれる田中。


まるで、王子様みたい。




頬を赤く染めながら、私はその手を受け取った。