テクサレバナ

如月が虚ろな目をして、俺を見る。




『死ね、糞女が』




…まただ、頭の中に誰かの声が。




そんなこよりも、如月が苦しそうにしている。




ああ、もうっ!!




「わかった!!!手腐花は殺さない!!!


だから、だから如月を、如月を離してくれえええええ!!!!」




俺がそう叫ぶと、鬼のような形相だったカレンは打って変わって、またいつもの無邪気な笑顔のカレンに戻った。




「ん、ありがと」




ぱっちりとした大きな目を細めて、桜色の唇を上げて、にっこりと微笑むカレン。


その笑顔は、どこか不気味だった。