「離せ。


俺は、手腐花を殺す。


もう、俺のせいで誰かが死ぬのは嫌だ。


だから、殺すんだ、手腐花を、殺すんだ……!!!!」




そう言って、俺は手腐花を握り、そして引っ張ろうとした。


その時だった。




「千裕………何してるの?」




そこには、カレンがいた。




ゆらりと揺らめく黒髪。


だらりと垂れ下がるような四肢。


大きくて赤い目は、どこか濁っていて。


赤いワンピースは、ボロボロになっている。




「カ、カレン……?」




以前の、やたらと元気なカレンと一変した、今のカレンに俺は驚きを隠せなかった。