テクサレバナ

図書館の窓は閉まっているはずなのに、暖房が入っているはずなのに、どこからともなく、ひんやりとした風が吹いてきた。


その瞬間、俺の全身に鳥肌が立つ。




そうだ。


見ないと。


呪いの解き方を………。




そう思って俺が再び本に目をやった瞬間、本を持っていた俺の手がカレンに弾かれた。




「っ!!」




とても、その小さく細い手に弾かれたとは思えないくらいの痛みが、俺の手に走る。




カレンは腰を曲げ、床に落ちた本を拾った。




「残念!


手腐花の呪いは、止めさせないよ」


「カレン……どうしてそんなことを!


早くそれをこっちへ渡せ!


じゃないと、誰かが、また俺のせいで死んでしまうんだ!!だから!!!」




「もう、手遅れだよ?」




「え………?」