「文化祭、楽しみだね~」


「ねえ、知ってる?隣のクラスやる、肝試しなんだけどね………」


「ええ、うっそー!?」


「本当だよ!」




楽しそうな声が、教室に響いている。


皆、楽しそうにしている。


しかし、俺だけはクラスの端っこの特等席で、寝たふりをしていた。




俺には、クラスで友達は一人もいなかった。


いや、クラスだけじゃない…この学校には、この世には、俺の友達という存在はない。


ずっと、だ。




俺には、友達は一人もいない。