テクサレバナ

田中が道で、他校の人と喋っている姿が見えた。


誰と話してんだろ。




「おーい、田中」と声を掛けようとして、私はやめた。




なんで、わざわざ田中に声をかけなきゃいけないのよ。


まるで、田中に会いたいみたいじゃない。




そう思って、さっと田中かた目を離したときだった。




「森井、逃げろおおお!!!」




と、田中の大きな声が聞こえてきた。




さっきまで田中と話していた他校の人が、赤信号を渡って、しかもそこへ、トラックが走ってきたのだ。




な……。




「え?


あっ………」




他校の人は、自分めがけてトラックが走っているのを確認すると、そのまま歩くのをやめてしまった。


どうやら、恐怖が体が動かないのか。