テクサレバナ

「することはたんまりあるわ。


男子も何人か休んでいて、人手が足りないの。


そんなの、見たらわかるでしょう?


それに、皆頑張って高校最後の文化祭に向けて、必死で準備しているのに、田中君だけ準備しないなんて、おかしいでしょう?」




狐のように細い目を吊り上げて、近江は俺に向かって、きつい口調で言った。


近江のキンキンとした嫌な声が、俺の耳に響く。




うるさいなあ………。




「早く、準備に取り掛かってちょうだい」




近江はそう言ったが、俺は教室の扉を開けた。