女の子の視線の先にはよくお母さんとおでかけしてるおじさんがいました。
そのおじさんの事を女の子はよく知っています。
毎日のように女の子が寝た後にお母さんが寝室へ入れるおじさんでした。
女の子はお母さんの寝室から聞こえる、
お母さんとおじさんの息づかいが気持ち悪くて寝れなかったのです。
そのおじさんが女の子の視線の先で息づかいを荒くしていたのです。
お母さんは不気味な笑みを浮かべて、言いました。
ちゃんと練習するのよ?ママの為にと。
女の子は叫びました。
何度も、何度も、泣き叫びました。
何度も、何度も、ママの名前を呼びました。
ですが、お母さんが女の子を助けることはありませんでした。
最後に残ったのは、
涙が枯れて、声も枯れて、
服も髪も、なにもかもぼろぼろになった女の子だけでした。

