「ありがとう。きもちよかった」
黒田くんにスエットをかしてもらった。
制服のままだったから着替えはもってきてない。
「……あぁやっぱそれでかかったね」
「うん。でもありがとう」
ちょっと大きいどころじゃないけど、
でも制服のまま寝るなは嫌だから。
「黒田くん入ったら?」
「…そうだね。じゃあ入ってくるよ」
黒田くんはお風呂へ行って、
部屋に1人きりになったあたしはベッドに横になる。
黒田くんの……ベッド。
黒田くんの、匂いがする。
なんだろう……この匂いどこかで嗅いだ事あるような気がする。
不思議。
夜も、眠る事も、大嫌いなのに……
瞼が重くなってく。この匂い…凄く安心する。
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『可哀想ね~交通事故ですって』
『良雄さんも一緒だったんですって』
おばさん達のひそひそ話、おっきいから聞こえてるよ?
そっか……お母さんとおじさん交通事故で死んじゃったんだ。
『だれがあの子見るの?』
『え~私は嫌よ?なんであんな子見なきゃいけないのよ』
『私だって嫌よ。他人の子にお金使いたくないわよ』

