君と家出中…


『あとでな』


楽器の準備をしていた遼は、こちらを見ずに言った。



ちぇ。



二人の時に聴きたいのにな。




『遼が作詞作曲してるの?』




顔を上げた遼が何か言いかけた時、重いドアが押されて誰か入ってきた。