なんとか学校に着いて、クラスを確認する。
「あっ」
なんとなんと。
「…同じクラス、だな」
「やったあああ」
しかし、喜んでいる暇もない。
時刻は8時23分。
「あと2分しかねえな、走るぞ」
「えっ…私走れない…」
「莉穂が遅いからだろ。ほら行くぞ」
翔ちゃんが私の手首を掴む。
「う、むりいいいいい」
「うるさい」
それから、私の手を引いて走り出した。
結局遅刻はせずに済んだのだけど。
普段から運動不足の私。
そして一年は最上階で最も遠い。
どこまでも続く階段に心が折れそうになりつつ。
翔ちゃんが励ましながら引っ張ってくれたのは、言うまでもない。

